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宇陀松山藩と石門心学

 

 

皆さま、こんにちは。世間では新型コロナウイルスの対策について毎日、メディアなどでも放送されています。

 

お元気で過ごしていらっしゃいますでしょうか?

 

ダイワホーサンでも、コロナウイルス対策のために手洗いを徹底して行い、繁忙期に差し掛かる冬場も、日ごろから十分な睡眠と栄養を取るように呼びかけ合い、感染が絶対に起こらないように仕事に励んでいます。

 

世間では緊迫したニュースが続く中ですが、先日、中小企業診断士で大和商業研究所所長でいらっしゃる清水正博さんより、ダイワホーサンの近くにあった宇陀松山藩(現 宇陀市大宇陀松山地区)と石門心学のつながりについて教えていただく機会がありました。

 

石門心学というのは石田梅岩(1685-1744年。江戸時代の思想家、倫理学者。)を開祖とする倫理学の一派です。

 

松下幸之助や稲盛和夫など偉大な経営者も大きな影響を受けています。

 

石田梅岩氏の有名な言葉の中に「真の商人は先も立ち、我も立つことを思うなり」という言葉があります。

 

現代風に言うと「真の経営者は、第一にお客様に喜んでいただくことを考え、その結果として利益がついてくる」といった意味になります。

 

この教えは、有名な近江商人(中世から近代にかけて活動した近江国=現在の滋賀県出身の商人)の「三方よし」にも引き継がれました。

 

三方よしとは「売り手し 買い手良し 世間良し」という言葉からきており、「商売は売り手(製品やサービスを提供する側)と買い手(お客様)がともに満足し、さらに商いを通じて社会貢献をすることが大切である」という心得です。

 

この言葉を初めて聞いた時には、深い感銘を受けた記憶があります。

 

近江商人の「三方よし」の考えは今でも大小問わず多くの企業に受け継がれています(^^)

 

今回、石田梅岩の石門心学をわたくしに教えて下さった清水さんは、石門心学の歴史を調査されており、かつて宇陀松山藩にあった石田梅岩の教えを受け継ぐ講舎を見つけ出されました。

 

その時に清水さんが書かれた記事を紹介させていただきます(^^)

 

 

大和の国 篤敬舎(とっけいしゃ)

大和商業研究所 代表 清水正博

 

感動塾にて「篤敬舎」を見つける

「田葉粉屋(たばこや)があった!」。参加者同士で歓声をあげた。昨年十月、重藤悦男先生主宰「感動塾」での宇陀市松山地区の街歩きで最後の訪問地へ向かう途中の出来事であった。まさに塾名の通り「感動」の一瞬であった。

 

私は地元である奈良県に心学舎の史蹟が無いことを常日頃から残念に思い、県内で心学舎を何としても探したいと念じ、語っていた。

とりわけ、宇陀市の篤敬舎は天明三年(一七八三)頃の設立で奈良県では最も早く、『諸国舎号』には十四番目に記載されている。

 

『石門心学史の研究』(石川謙)には「都講には山邊屋長助、田葉粉屋安兵衛が就き、京都修正舎社中の北村柳悦が、手島堵庵を頂点とする心学の教えを取り次いだ」とある。それ以上の詳細な内容は書かれていない。石川先生の現地調査は山邊屋、田葉粉屋まで、及んでいなかったようだ。

 

再訪し蔵の中の古文書類も拝見する

昨年の訪問及び図書館等の調査で判ったことは、両家共に松山地区に今も残る旧家だ。山邊屋は現在、住む人は無いが、田葉粉屋は子孫の林徳一様ご一家四世代が住まわれている。

 

平成最後の四月に再訪し、遺されている古文書類を拝見した。商売の記録や手紙類が相当数在る。是非、行政の文化財保護の専門家に整理していただきたいものだ。江戸時代の商家の生活や知的水準の高さが明らかになるであろう。

通りに面し、家の由来を書いた説明版が掲げられている。左記にその全文を掲載した。

 

林家「拾生屋(ひろうや)」

文政13(1830)年(棟札より)

切妻・つし二階・桟瓦・平入

「たばこや安兵衛」という呼び名の方が古いらしく、たばこの葉を扱っていた時期があったようだ。材木をはじめ、手広く商いをしていたと伝わる。

駒寄せ・格子・柚壁・座敷玄関など、伝統的な意匠を持ち、江戸末期の様子を伝える佇まいと、蔵が印象的なこの家は、明治時代に北側の間口二間分を増築したと見られている。

平成に入り、物置と女中部屋を陶芸の工房に改造。昔の佇まいはそのままで、新たな要素を取り入れた現代に活きる伝統的町家である。

南北一キロにわたって延びる街並みは、朝は西側の家が明るく、日暮れには夕日が東の家並みを照らすため、異なった表情を見せてくれる。

 

↑林家の玄関。間口は9間、間取りは3列9室ある。(2019年4月26日撮影)

 

↑表紙に「施印集鑑」と書かれたスクラップブック。施印(心学の教えを絵と文字で表現した配布物)が数十頁に几帳面に貼られている。

 

 

 

宇陀松山藩にあった講舎が見つかったときの興奮や、躍動感が伝わるような大変面白い記事です(^^)

 

この中に出てくる「林家(拾生屋=ひろうや)」さんは、ダイワホーサンから車で7分くらいのところにあります。

 

宇陀の松山地区は、商家造りの建物がたくさん残っており、街並みを眺めて歩くには最高の場所です。

 

 

新型コロナウイルスの問題が早く収束しますように・・・。

 

皆さま、どうかお気を付けてお過ごしください。

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