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重要文化財 奈良女子大学について

お彼岸も過ぎて、朝夕は少し涼しくなってまいりましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。ダイワホーサンのある宇陀市は、奈良県の山間部にあり、秋の気配が感じられます。

 

さる9月14日に、大学や行政、企業の異業種コミュニティのKNSの会合でプレゼンターとして参加しました。

 

奈良女子大で開催されたのですが、わたくし奈良に住んで四十数年、なんと初めて建物を拝見しました。

 

奈良女子大の記念館は、1909年に竣工されたそうです。ちょうど夕暮れ時だったのですが、大変美しい建物でした。一瞬、奈良にいることを忘れます。

時代はアール・ヌーボー(注釈:19世紀末から20世紀初めにフランスを中心に欧州で流行した芸術様式。植物模様や流れるような曲線が特徴)からアール・デコ(アール・ヌーボーの様式に幾何学的な要素が取り入れら出ているのが特徴)に移る途中に建てられているそうです。

美しく、開放的な天井です。そして、荘厳な雰囲気が漂っています。

 

奈良女子大は、アール・ヌーボーでもなく、アール・デコでもない建物なんだそうです。アール・ヌーボーに現代的な要素が取り入れられているそうです。

アール・ヌーボーの植物的な要素が残っているのが、こちらのシャンデリアだそうです。

確かに言われてみると、ツル科の植物が花を咲かせているように見えます。これがアール・ヌーボーなんですな。

カーテンと壁とライトのバランスが見事で色使いもシックですし、明治の日本にタイムスリップしたような気持ちになります。

ちなみに、アール・デコの最高傑作はマッキントッシュのグラスゴー美術学校の図書室が有名なんだそうです。

確かに直線的な美しさがあります。これが、アール・デコなんですな(^^)

さて、奈良女子大の記念館の椅子は、木からできていて、これがなんとも味わい深いんです。当時の女学生の身長に合わせて作られた椅子で、少し低く、深い色味の赤の生地が印象的です。

座席の高さは、これまた当時の女学生の身長に合わせて、少し低めになっています。

奈良女子大で、「縫製技術で“守る”商品展開~カバンからライフジャケットへ~」というお題でお話をさせていただきました。ものすごい緊張しました(^^;)

その後、学生会館で懇親会が開催されました。この中庭の雰囲気と、明かりのついた学生会館はまた何とも言えず素敵な空間でありました。

奈良女子大では、都市建築史・建築芸術学分野の藤田 盟児教授による「アールー・ヌーボー時代から現代の建築への変遷」をテーマとした講義も聞かせていただき、大変面白く感じられました。

藤田先生の講義では19世紀の後半に生まれた印象派は、日本の浮世絵の色使いに衝撃を受けていたこと、絵画や建築において日本の美術は世界的に大きく影響を与えたことなどお話されていました。

「日本が世界に追いつくために西洋化が進められていたころ、西洋では日本に追いつこうとしていた。」という話を聞いた時には、心を打たれてしまいました。

「日本から見た西洋、西洋から見た日本」というのを高い空から見物しているような気持ちになりました。

印象派に影響を与えた葛飾北斎は有名な富嶽三十六景を描く前に、西洋の透視画法を勉強されており、この有名な神奈川沖浪裏を描かれたそうです。

奈良女子大の建物と藤田先生のお話で、明治時代に世界一周旅行をしたような一日でした(^^)

 

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